社会インフラとしての下水道、静かに進む老朽化
全国に張り巡らされた下水道管路の多くは、高度経済成長期に整備されたものです。
整備から30年、40年が経過した今、老朽化による事故のリスクが高まり、国土交通省は全国の自治体に対して、本格的な点検・調査の強化が求められています。
こうした社会的背景のもと、土木管理総合試験所では、下水道管路施設に特化した専門的な点検・調査サービスを展開し、各地のインフラ維持管理を支えています。
道路陥没事故を契機に、全国で調査体制が加速
2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、社会に大きな衝撃を与えました。
この事故をきっかけに、国土交通省は「管径2m以上かつ1994年度以前に設置された管路」に対して緊急点検を要請。特に、腐食や変状の履歴がある地域や、地盤が不安定なエリアを優先対象とした調査が始まっています。また、自治体には、点検だけでなく、その後の修繕・更新計画までを見据えた対応が強く求められる時代になりました。
3段階の調査プロセス
土木管理総合試験所では、こうした行政ニーズにいち早く応え、全国の自治体と連携して点検・調査業務を進めています。
調査は大きく3段階に分かれており、まずは管内にカメラを挿入して状態を確認するテレビカメラ調査や、作業員による潜行目視調査を実施。浮流式のドローンカメラなども活用し、腐食やたるみ、破損といった異常をスパンごとに診断していきます。
次に、目視調査で緊急度が高くないと判断された管路に対しては、打音や弾性波を用いた物理的な診断を行います。
シュミットハンマーやインパクトエコー、小径コアなどを使用し、管厚や圧縮強度といった健全性を多角的に評価し、緊急度が高いと判断された管路には、さらに空洞調査を実施します。
レーダ探査や貫入試験など、状況に応じた複合的な手法を用いて、陥没リスクを的確に見極めていきます。
①潜行目視・テレビカメラ調査
潜行目視・テレビカメラ(ドローンや浮流式カメラ等を含む)により、管路内(マンホール含む)の調査を全線にわたり実施します。これを「管路内調査」と呼び、腐食・たるみ・破損などの劣化状況を診断します。
調査結果はスパンごとに整理され、緊急度の判定が行われます。

↑ 鉄筋露出

↑骨材露出、流水確認
②打音調査(衝撃弾性波法)
潜行目視・テレビカメラ調査にて緊急度Ⅰ・Ⅱと判定されなかった管路は、打音調査を実施し、圧縮強度と管厚を確認します。
土木管理総合試験所では、シュミットハンマー・インパクトエコーや小径コアを中心に確認しますが、管径によっては専用ロボットを使って確認をします。

↑インパクトエコー法の測定状況
③空洞調査
緊急度Ⅰ・Ⅱに判定された管路は空洞調査を行います。空洞調査は下水道管の土被り厚に応じて調査方法が異なります。
1.土被り厚2m以浅の場合:車載型または手押し型のレーダ調査
2.土被り厚2m以上の場合:管内からのレーダ探査または簡易サウンディング調査
路面化空洞調査や簡易的な貫入試験などを行い、管周りの空洞を確認します。

↑車載型レーダー
↑ 手押し型レーダ

↑スクリューウエイト貫入試験の写真
調査から保全計画まで、一貫体制で支援
これらの調査結果は、劣化の進行度に応じてA〜Cの3段階に分類され、修繕や改築の優先順位を明確にすることが可能です。
単に“調査して終わり”ではなく、その後の修繕・保全計画の立案までを一貫してサポートする体制こそが、土木管理総合試験所の強みなのです。
現場対応力はもちろん、豊富な実績とノウハウに基づく技術的信頼性が、自治体から高く評価いただいています。
信頼の全国ネットワークと迅速な対応力
全国に拠点を持つ土木管理総合試験所は、地域に応じた柔軟な対応が可能であり、特別重点調査といった緊急性の高い案件においても、迅速な体制を構築することが可能です。目の前の問題を解決することに加えて、インフラ維持管理の中長期的なパートナーとして信頼を積み重ねています。
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